先週5月24日(土)にzoom(オンライン)で第21回ネットワーク会「台湾の取り組みに学び、多文化共生のまちづくりに活かそう!~外国人住民のエンパワメントを促す活動~」を開催いたしました。
今回は初めて海外とオンラインでつなぎ、国際NGOであるYWCA(Young Women’s Christian Association)で10数年にわたりご活躍されている洪正芬さんから、台湾での「外国人住民のエンパワメントを促す取り組み」について、日本語の通訳を交えながらお話をうかがいました。当日は、20名を超える方がご参加くださり、お話を聞いた後は小グループでのディスカッションを行いました。その後の全体での意見交換では、時間いっぱいまでそれぞれの立場からの貴重なご意見やコメントをいただきました。 ご意見・ご感想をくださったみなさま、ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。 今回ネットワーク会でいただいたご意見につきましては、いくつかPadletにも集約していますのでぜひご覧ください。【リンク→】 https://padlet.com/tabunkakodomonokotoba/padlet-exaffpf0mhdgie2w 事務局メンバーの仲由布子さんが滞在している台湾では、台湾政府より委託を受けたYWCAが、1997年7月より「新住民」(台湾の方との国際結婚を機に台湾に定住した人々)への支援を始めました。新住民への支援は①家庭支援、②活動支援、③就労支援など多岐にわたっています。とりわけ、新住民のエンパワメントを促す「活動支援」は、どの年齢でも参加できる企画となっており、人生の各ステージでステップアップができるよう活動が設定されています。 自分の文化を台湾の人々に紹介したくても、なかなかそういった機会が無いという人には、学校や政府のアクティビティの中で新住民が先生として活躍できる機会を設けたり、文化紹介の方法や仕方が分からずに不安を抱える人に対しては、どうやって文化紹介をすればいいのかという教え方も支援しているとのことでした。 母国ではない台湾で生活する新住民はストレスを抱えており、普段は自分のことを考える余裕もないので、新住民が先生となり自分の文化を紹介するという活動を行うことによって、台湾の方々に自分の文化を紹介するだけでなく、新住民が人々とのコミュニケーションを取り、関係性も近くすることができ、また新住民同士も交流を通して、互いに困っていることなどを話しながら、少しずつ問題を解決することができるようになっていくとのことでした。 こどもたちについては、2023年に6.8%の生徒が新住民のこどもであり、クラス単価で見ると平均1人か2人は新住民のこどもが在籍しています。新住民のこどもたちは、都心より地方に多いですが、地方ではサポートが少ないので、彼らにはさらなる支援が必要であろうとのことでした。参加者のみなさんが最も興味を示したのは母語教育でした。2019年度にインドネシア語やタイ語など東南アジア7か国の言語が母語教育のカリキュラムに組み込まれ、新住民の子どもたちは自分の母語を学校で勉強できるようになりました。 台湾で生まれたこどもたちの中には、自分の親が台湾語が上手ではないために、親の存在を恥ずかしいと感じている子供たちも少なくないそうです。YWCAでは、こうしたこどもに気づいたときには、こどもたちへ「言語の側面だけでなく他の能力や知識があるのだ」ということを見せたりしているそうです。しかしながら、中学生のこどもたちにそれを理解させるのは難しいとのことでした。 こうした問題は、台湾だけでなく日本国内外でもよく見聞きします。こどもたちが言語ができない親を恥ずかしいと思ってしまわないよう、日本でも外国人住民のエンパワメントを促し活躍できる場をわたしたちも社会の中でつくっていかなければと思いました。 ぜひ、また機会があれば、他の国や地域、各地の取り組みなどをみなさんと一緒に知ることができればいいなと思いました。
【参加者からのご感想(一部)】
〇支えられるだけでなく支える人に。ボランティアに頼るだけでなく国がお金をだして委託しているところが良いと思いました。
〇日頃聴けない内容のお話でした。国が支援しているという点が素晴らしいと思った。里中先生の「ボランティアで続けるのには限界がある。」というお話も,すごく納得できました。
〇 「支援される、支援する」だけではなく、お互いが当事者として活動できている点、それを自信を持って提供できている団体の状況を知ることができたこと。
〇台湾の新住民を地域でサポートしていこうとする気もちが,台湾の方々の温かさだと感じました。その気持ちを私も今後に活かしたいです!
台湾の取り組みのように、わたしたちも支援する側と支援される側ということでなく、一人ひとりが活躍できる住みやすいまちづくりのために活動できればいいですね♡これからも、みんなが笑顔で暮すことができるよう、みなさんと一緒に考え、未来のためにできることは何か?今後もみなさんと一緒に考えていきたいと思います。
多文化に生きるこどもネットワーク大分
事務局一同 お礼の気持ちを込めて